夏休みが明けた。9月2日。月曜日。
その日は、たった一日で終わるはずの月曜日だったのに、私にとっては永遠の始まりの日になった。
始業式の日に、私は学校に行けなかった。
いきたかった。でも、いきかたがわからなかった。
つい数か月前、中学校に入学した時、自分が隠し持っていた希望を恨んだ。
結局、すべてが無理だったのだ。私は、挫折した。
新学期が始まってすぐに、定期テストがあった。勇気を振り絞って、その2日間だけ何とか教室に通ったが、テストが終わると逃げるように学校から帰った。学校は私にとって、もう逃げるべき相手になっていた。
教室では、当時流行っていたドラマの話でクラスメイトたちが盛り上がっていた。私も半年間楽しみに観ていたドラマだ。昨日最終回があって、黒幕が判明したところだった。私はそんなに夜遅くまで起きていることができなかったので、テストが終わったご褒美に、家で録画した最終回を観ようと思っていた。けれど彼らの、耳を傾けなくても聞こえる声量で、黒幕が誰だったのかを知ってしまった。
そんなことで、心折れてしまう自分が情けなかった。
そして、思った。本当は4月からずっと抱えていた思いを、初めて頭の中で、「思った」。
ここは、私の居場所じゃない。
あれから二度と、教室には入れなかった。